の位置データをもとに、4月12日に航空機(ツインオッター)を用いて、上空からの捜索により発見することを試みた。ツインオッターはモールドベイ(図−2)を離陸し、約2時間30分後には約460km離れた現場上空に到達した。IOEBの頂上浮体の直径が114.3cmであることから、捜索開始前は誰もがこの発見には時間を要するものと考えていた。ところが用意していた携帯用のアルゴス受信機も使用せずに、現場到着後数分で目視によって発見することができた(図−3)。容易に発見できた理由としては、頂上浮体の塗装色を海氷の白色に対して黄色にしていたこと、リッジの中に包まれることなく設置当初と同様に平坦な水盤上に置かれていたことなどによるものと考えられる。
続いて着陸を試みたが、IOEBの設置されている水盤の表面にはツインオッターが着陸できる限度を超えた凸凹があるため着陸は不可能であった。そこでIOEBの水盤の周辺に、ツインオッターが離着陸可能な水盤があるか否かの調査を実施した。その緒呆、約14.4km離れた地点に離着陸可能な水盤を発見した。IOEBと着陸地点間には起伏の激しい氷丘野が広がっており、作業班だけでの機材の火止輸送は不可能であり、急遽ヘリコプターを
図−2 移動経路および作業海域借り上げることとなった。
3. 氷上キャンプ設営
今回の氷上キャンプの参加者は、当センターから2名(著者)、ウッズホール海洋研究所から2名(Richard KrishfieldおよびJohn Kemp)、ポーラーアソシエイト社から1名(Jeff Lord)、カナディアンヘリコプター社から1名(Devid Nasogaluak)の計6名である。なおポーラーアソシエイト社は極域作業支援を専門業種とする会社であり、Jeff Lord氏には今回の氷上キャンプの設営責任者としての参加を依頼した。
4月16日より氷上キャンプの設営を開始し、続く4月17日には、ツインオッター、ヘリコプターおよびキャン
図−3 回収・再設置位置。氷上作業の日程とその間の水盤の移動
写真−1 べースキャンプのテント
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